仕事と人の関係性

2022年12月17日 カテゴリー:仕事について

〜好奇心に運ばれる〜

 

米作りを手伝っていることについて、前に書いたことがあります。

 

米作りについてはこちら

 

僕が米作りをお手伝いさせてもらっている能登川の種町の『新米クラブ』は、有志6人が立ち上げたチーム。もともと農家の多い種町でも農業を辞める人が増えてきているのですが、新米クラブはそんな彼らの農地も預かり、米作りを行っています。

 

なので先々、今より耕作地が増えることは自明です。後継者の問題というのは、農業はじめ一次産業に限ったことではなく、伝統工芸など職人の世界でも際立っているようです。知人に、能登川町の小川町に古くからある染物と織物の会社で働いている方がいますが、彼が入社する直前まで、社長は会社を畳むことをほとんど決めておられたと聞きました。

 

その企業は「株式会社おおまえ」といって、柿渋を使った染物で大変良く知られています。染色の原料となる柿渋を作っているのは、日本で4社(家族?)ほどしかなく、さらにその内の1社は後継者がいないので近い将来どうなるかわからないということです。

 

伝統工芸にしても一次産業にしても、素晴らしい仕事であるにも関わらず、後継者がおらず消えていこうとしているのはなぜか。それはお金にならない、職業によっては労働環境が悪い、福利厚生が整備されていないことが大きな要因だと思われます。しかし、仕事自体には魅力があり、社会的にも重要性が認められているので、やりがいがあることは確かです。

 

現に先ほどの知人は労働環境などすべて理解した上で入社されています。彼は「おおまえ」の仕事の素晴らしさを今の世の中が求めるカタチで提案することに魅力とやりがいを感じ、さらに職人の環境も変えようと考えておられます。僕は彼の話を聞いていて、そこに使命感すら感じました。

 

一見、伝統工芸は文化や芸術としては大変素晴らしいものであるけれども、日常生活や現代社会に必要不可欠な存在ではない、という考えもあるかもしれません。しかし、じっさいはまったく逆なのです。つまり芸術や文化が支える基盤の上に現代社会が成り立っているということです。僕たちの思考や行動様式、わかりやすくいうと常識的な考えというものは、芸術や文化から生まれているのです。

 

話がそれましたが、僕としては、彼のように内部から変えていこうとする姿勢にとても感銘を受けるとともに、現状に対して違うアプローチもできるのではないかと考えています。僕のように気の多い人間は、好奇心に従っていくつもの仕事をしたほうがいい、というものです。同じ自分という人間がやっているのだから、テーマは変わらず、手掛けるそれぞれの仕事が共鳴し、いい循環が起きると思っています。好奇心が導いてくれた仕事が、さながら車輪のように僕を運んでくれるんじゃないかなあと思っています。

 

今回は「雑穀」について書きたかったのですが、意外な方に脱線してしまいました。

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